胃の縮小手術とは?手術方法や減量効果、保険適用まで徹底解説!
- 四谷メディカルキューブ
- 6月17日
- 読了時間: 5分

東京都千代田区の四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センターです。当院では、減量手術に関する治療やご相談を受け付けています。
本記事では、胃の縮小手術とされる「減量手術」の概要と期待できる効果、そして保険適用の条件について解説します。ぜひご参考ください。
胃の縮小手術とはどのような治療?

胃の縮小手術は、医学的には「減量手術(肥満外科手術)」と呼ばれる治療法です。減量手術は、肥満によって引き起こされるさまざまな健康障害を改善するために、主に胃を小さく形成する手術を行います。
日本で行われている主な減量手術には、以下の2種類があります。
1. 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は、腹腔鏡を用いて胃の外側を切除し、胃を筒状(スリーブ状)に再形成する手術です。この手術では、胃の容量が通常60~100ccまで減少し、切除された大部分の胃は体外に取り出されます。
胃の容量が小さくなることで食事量が減少し、体重減少が効果的に促されます。
2. 腹腔鏡下スリーブ・バイパス術
腹腔鏡下スリーブ・バイパス術は、スリーブ状胃切除術と同様に胃を筒状に再形成した上で、小さくなった胃と小腸を吻合する手術です。切除された胃の大部分は体外に取り出されます。
この手術では、食事量の減少に加え、栄養の吸収量も制限されるため、スリーブ状胃切除術よりも高い減量効果が期待できます。
胃の縮小手術で期待できる減量効果

減量手術は、肥満症の患者さまに対して高い減量効果が得られる外科的治療法です。単なる体重減少だけでなく、糖尿病をはじめとする生活習慣病の改善にも有効であることが、多くの医学的研究で報告されています。
ここでは、当院で実施した減量手術の実績に基づき、具体的な減量効果と血糖コントロールの改善例についてご紹介します。
減量手術の減量効果
当院で腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を受けた患者さまの体重推移を検証した結果、手術前の平均体重は120.4kgでしたが、術後1年目には平均83.4kgまで減少しました。
術後3年目以降には一部の患者さまで体重の再増加傾向が見られたものの、術後5年目時点においても平均約30kgの減量が維持されており、長期的にも安定した減量効果が得られています。(Seki Y, Kasama K, et al. Obes Surg 2016 より引用)

減量手術の血糖改善効果
当院で腹腔鏡下スリーブ・バイパス術を受けた、2型糖尿病を合併する肥満症の患者さまにおける血糖コントロールの推移を検討したところ、手術前の平均HbA1c値は9.0%とコントロール不良の状態でしたが、術後1年後には平均5.8%まで改善し、血糖コントロールの著しい改善が認められました。
さらに、術前には全体の約48%の患者さまがインスリン療法を行っていましたが、術後1年後には1名を除き、すべての患者さまでインスリンが不要となりました。その結果、全体の82%の患者さまで「糖尿病の寛解」が得られました。ここでいう寛解とは、糖尿病に対する薬物治療を行わずに、HbA1c値が6.5%未満の基準範囲内で維持されている状態を指します。(Seki Y, Kasama K, et al. Obes Surg 2016 より引用)

胃の縮小手術は保険適用されるの?

減量手術は、その有効性が高く評価されており、日本国内でも保険適用による治療が認められています。現在、保険適用の対象となっている手術は以下の2種類です。
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
腹腔鏡下スリーブ・バイパス術
これらの手術はいずれも、一定の条件を満たす場合に限り保険が適用されます。以下に、それぞれの手術における保険適用の条件を示します(以下のすべてに該当する場合に保険適用となります)。
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の保険適用
<BMI35以上の場合>
□ 6ヶ月以上の内科的治療を継続している
□ 糖尿病、高血圧症、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は非アルコール性脂肪肝炎を含めた非アルコール性脂肪性肝疾患のうち1つ以上を合併している
<BMI32~34.9の場合>
□ 6ヶ月以上の内科的治療を継続している
□ 糖尿病(ヘモグロビンA1c(HbA1c)が8.0%以上)、高血圧症、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、非アルコール性脂肪肝炎を含めた非アルコール性脂肪性肝疾患のうち2つ以上を合併している
腹腔鏡下スリーブ・バイパス術の保険適用
□ 腹腔鏡下スリーブ・バイパス術を5例以上経験した外科医が常勤している施設
□ BMI35以上
□ 6ヶ月以上の内科的治療を継続している
□ 糖尿病を合併している
まとめ

胃の縮小手術は、医学的には「減量手術」と呼ばれ、肥満に伴う健康障害を改善するために行われる外科的な治療法です。主に胃の容量を小さくすることで、食事の摂取量を制限し、長期的な体重減少を促します。
この減量手術は、肥満症の患者さまに対して高い減量効果が認められており、体重の減少だけでなく、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の改善にも有効であることが、国内外の多くの研究により報告されています。
現在、日本国内では「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」や「腹腔鏡下スリーブ・バイパス術」が健康保険の適用対象となっており、適応基準を満たした患者さまが保険診療で治療を受けることが可能です。
減量治療は当院にご相談ください

東京都千代田区の四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センターでは、保険適用の腹腔鏡下スリーブ状胃切除術や腹腔鏡下スリーブ・バイパス術をはじめ、国内外で多数の腹腔鏡下減量・糖尿病外科手術を行っています。
また、カプセルを飲み込むだけで減量効果が得られるカプセル内服型バルーン治療「Allurionプログラム」や、BMI 27.5以上35.0未満の軽度肥満2型糖尿病患者さまを対象にした臨床研究なども実施しています。
当院では、減量治療におけるさまざまな治療オプションを備えており、患者さま一人ひとりの状態に合わせた治療を提供しています。治療に関する無料相談も受け付けております。お気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
■四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センター
四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センターでは、高度肥満症の方を対象とした減量手術を行っています。減量手術において国内屈指の執刀経験を有しており、論文、学会発表、講演、メディア出演など、多岐にわたる活動を展開しています。
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