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​減量手術の効果

減量手術はどのくらい効果的なのか

手術後の体重変化や糖尿病への効果は以下の要因に依存します。

  • 年齢

  • 運動能力

  • 術前の体重

  • 健康状態

  • 術式

  • 術後の食事療法が守られているか

  • 患者さまの意志と家族のサポート

当院における手術の長期成績

減量手術の長期成績は施設のフォローアップ体制によって大きく変わります。

代表的な4種類の術式(腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術、腹腔鏡下調節性胃バンディング術、腹腔鏡下スリーブ状胃切除術、腹腔鏡下スリーブ・バイパス術)の術後1年目以降5年目までの超過体重減少率の推移を図に示します。

手術後の体重減少は通常“超過体重減少率”で表します。超過体重減少率は、減量効果を測る指標で、日本人の理想体重であるBMI 22kg/㎡を基準とした時の超過体重の何パーセントが治療により減ったかを表したものです。例えば、Aさんが165cmだとすると理想体重は60kgです。Aさんの実際の体重が100kgであったとすると、超過体重は40kg(100 -60=40)です。体重が30kg減った場合、超過体重減少率75%(30÷40=0.75)となります。

ルーワイ胃バイパス術、スリーブ状胃切除術とスリーブ・バイパス術の超過体重減少率はほぼ同等、腹腔鏡下調節性胃バンディング術は他の3術式と比較すると、減量効果がやや低い傾向にあります。ただし、BMI50以上の超高度肥満に関してはスリーブ状胃切除術単独だと体重減少の効果が少ないことも分かっています。そのため、二期手術(2回に分けて手術を行うこと)が必要な場合もあります。当センターの良好な成績は手術手技だけではなく、手術を受けられた患者さまを、心理面、栄養面、運動面など、多角的にしっかりと長期的にフォローアップする仕組みが整っているからであると考えています。肥満症に対する外科治療を成功に導くためにはチーム医療が非常に重要です。

海外の報告

1)10年以上の成績、死亡率への影響

4000名以上の高度肥満症患者を対象に、減量手術が行われた群と内科治療が行われた群を20年間前向き観察したスウェーデンの研究によると、内科治療群では長期的な体重減少はほぼ得られなかったが、減量手術群では術式による程度の違いはあるものの、全ての術式で長期的な体重減少が得られました。さらに減量手術群では内科治療群と比較して、15年間の死亡リスクが約30%低下していました。

カナダからの後ろ向き研究によると、減量手術が行われた患者群では非手術(内科治療)群と比較して、5年間の死亡率が9分の1に低下していた、と報告されています。同様に、別のアメリカからの後ろ向き研究によると、減量手術群では全体の死亡率が40%、癌による死亡率が60%、心疾患による死亡率が56%、糖尿病による死亡率が92%減少する、と報告されています。

2)体重減少、合併疾患改善に関して

体重の減少に関して、2万例以上の解析でルーワイ胃バイパス術の超過体重減量率は61.6%、スリーブ状胃切除術は55.4%、腹腔鏡下調節性胃バンディング術は47.5%とされています。体重減少に関しては胃バイパス術、スリーブ状胃切除術、腹腔鏡下調節性胃バンディング術の順で効果があると考えられます。

術後の糖尿病の臨床的寛解(投薬やインスリンなどを用いずに、検査値が正常化した状態)および改善率はルーワイ胃バイパス術でそれぞれ87.3%、93.2%、スリーブ状胃切除術で66.2%、86.9%、腹腔鏡下調節性胃バンディング術で47.9%、80.8%と報告されています。

その他の肥満関連疾患の肥満関連疾患の改善率も50~90%と高いことが示されています。

海外ではスリーブ・バイパス術は多く行われていないため、スリーブ・バイパス術の効果に関しては前述の「当院における手術の長期成績」をご覧ください。

術後の肥満関連疾患改善率(まとめ)