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胃のバイパス手術とは?手術方法や効果、保険適用まで解説!

  • 執筆者の写真: 四谷メディカルキューブ
    四谷メディカルキューブ
  • 2 日前
  • 読了時間: 5分

東京都千代田区の四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センターです。当院では、減量手術に関する治療やご相談を受け付けています。

本記事では、胃のバイパス手術の方法と仕組み、期待される効果、さらに保険適用の条件について解説します。ぜひご参考ください。

胃のバイパス手術とは?手術方法と仕組み

胃のバイパス手術とは、胃を小さな袋(胃のう)と残りの胃に分け、小腸や十二指腸の一部をバイパス(迂回路)することで、食事の摂取量を減らし、栄養やカロリーの吸収を抑える手術です。

代表的な手術には「腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術」と「腹腔鏡下スリーブ・バイパス術」があります。

腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術

ルーワイ胃バイパス術は、胃を約20〜30ccの小さな袋(胃のう)と残りの胃に切り分け、胃のうと小腸をつなぐ方法です。残った胃は摘出せず、体内にそのまま残します。

この手術では、胃の容量が大幅に小さくなるため、少量の食事でも満腹感を得られます。また、胃の下部から小腸の上部を食物が通過しないため、栄養やカロリーの吸収が制限され、体重減少や糖尿病の改善効果が期待できます。

一方で、残胃が体内に残るため、術後に内視鏡で胃の内部を観察することが困難になります。日本のように胃がんの発生率が高い国では、この点が大きなリスクとされています。そのため、日本ではルーワイ胃バイパス術はほとんど実施されておらず、保険診療の対象にもなっていません。

腹腔鏡下スリーブ・バイパス術

スリーブ・バイパス術は、2007年に当院の減量・糖尿病外科センター長である笠間和典医師が開発した、日本発の術式です。基本的な考え方はルーワイ胃バイパス術と同様ですが、胃の切除方法や腸のつなぎ方に違いがあります。

ルーワイ胃バイパス術では胃の一部が体内に残るのに対し、スリーブ・バイパス術では空置される胃が残らないように切除します。また、ルーワイ胃バイパス術が「胃のうと小腸」をつなぐのに対し、スリーブ・バイパス術では「胃と十二指腸・小腸」をつなぐ点が大きな特徴です。

この方法では残胃が体内に残らないため、術後も内視鏡による胃の観察が可能です。そのため、胃がんリスクの高い日本人に適した術式といえます。その有効性が評価され、2024年6月から保険診療の対象として認められました。

胃のバイパス手術の効果

胃のバイパス手術は、肥満症の患者さまに対して高い効果が期待できる外科的治療法です。体重減少に加えて、糖尿病をはじめとする生活習慣病の改善にも有効であることが、多くの医学的研究で報告されています。

ここでは、当院で実施したスリーブ・バイパス術の実績をもとに、血糖コントロールの改善例をご紹介します。

スリーブ・バイパス術による血糖コントロールの改善

当院で腹腔鏡下スリーブ・バイパス術を受けた、2型糖尿病を合併する肥満症の患者さまを対象に血糖コントロールの変化を検討しました。

手術前の平均HbA1c値は9.0%と高値でしたが、術後1年目には平均5.8%まで改善しました。さらに、術前には全体の約48%の患者さまがインスリン療法を行っていましたが、術後1年目には1名を除き全員がインスリンを中止できました。

その結果、全体の82%の患者さまで糖尿病の「寛解」が得られました。ここでいう「寛解」とは、糖尿病の薬を使用せずにHbA1c値が6.5%未満の正常範囲内で安定している状態を指します。(Seki Y, Kasama K, et al. Obes Surg 2016 より引用)

スリーブ・バイパス術による血糖コントロールの改善

胃のバイパス手術のリスク・デメリット

スリーブ・バイパス術をはじめとする減量手術は、肥満症の患者さまに対して非常に高い効果が期待できる治療法です。しかし、外科的手術である以上、当然ながらリスクを伴います。肥満症の方は心臓病・糖尿病・高血圧といった合併症を抱えていることが多く、それらが手術中や術後のリスクを高める要因となります。

また、減量手術には他の外科手術と同様に、術後合併症が生じる可能性があります。代表的なものには、感染、出血、縫合部の不具合(縫合不全)などがあり、術後は慎重な経過観察と適切な管理が必要です。

治療を検討する際には、メリットだけでなくリスクについても十分に理解し、専門医とよく相談することが重要です。

胃のバイパス手術を保険適用で受けるには?

胃のバイパス手術にあたる「腹腔鏡下スリーブ・バイパス術」は、その有効性が評価され、2024年6月から保険適用が認められています。保険適用を受けるためには、患者様が以下のすべての条件を満たす必要があります。

  • BMIが35以上

  • 6か月以上の内科的治療を継続している

  • 糖尿病を合併している

さらに、医療機関側にも条件が設けられており、腹腔鏡下スリーブ・バイパス術の経験が5例以上ある外科医が常勤していることが求められます。そのため、日本国内で手術を実施できる医療機関は限られており、数か所にとどまります。

当院はその医療機関のひとつとして、条件を満たす患者さまに保険適用での腹腔鏡下スリーブ・バイパス術を提供しています。

減量治療は当院にご相談ください

東京都千代田区の四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センターでは、保険適用の腹腔鏡下スリーブ状胃切除術や腹腔鏡下スリーブ・バイパス術をはじめ、国内外で多数の腹腔鏡下減量・糖尿病外科手術を行っています。

当院では、減量治療におけるさまざまな治療オプションを備えており、患者さま一人ひとりの状態に合わせた治療を提供しています。治療に関する無料相談も受け付けております。お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

■四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センター

四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センターでは、高度肥満症の方を対象とした減量手術を行っています。減量手術において国内屈指の執刀経験を有しており、論文、学会発表、講演、メディア出演など、多岐にわたる活動を展開しています。

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