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​減量手術の適応・非適応

手術適応

  • BMI30以上の方

  • 肥満に起因する合併症をお持ちの方

  • 内科治療を行ったが効果が無かった方

  • 18歳~65歳の方

保険診療による手術適応

​保険診療による手術適応

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術と腹腔鏡下スリーブ・バイパス術は、以下すべてに該当する場合に保険適応となります。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術

2024年6月から保険診療の適応が変更になります。

<BMI35以上の場合>

・6ヶ月以上の内科的治療を継続している

・糖尿病、高血圧症、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は非アルコール性脂肪肝炎を含めた非アルコール性脂肪性肝疾患のうち1つ以上を合併している

<BMI32~34.9の場合>

・6ヶ月以上の内科的治療を継続している

・糖尿病(ヘモグロビンA1c(HbA1c)が8.0%以上)、高血圧症、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、非アルコール性脂肪肝炎を含めた非アルコール性脂肪性肝疾患のうち2つ以上を合併している

腹腔鏡下スリーブ・バイパス術

2024年6月から保険診療で受けられます。

​腹腔鏡下スリーブ・バイパス術を5例以上術者として行っている常勤の外科医が在籍している施設でのみ、保険適応が認められます。

・BMI35以上

・6ヶ月以上の内科的治療を継続している

・糖尿病を合併している

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の適応も広がりましたが、大きな変化は腹腔鏡下スリーブ状胃切除術+バイパス術が保険適応になったことです。

スリーブ+バイパス術はスリーブ状胃切除術に小腸のバイパスを付加することにより、さらに効果の上乗せが期待できます。

腹腔鏡下スリーブ+バイパス術はその手術の経験が5例以上ある外科医が常勤でいることが、手術を保険で行うための条件となっています。そのため日本では数か所の病院のみが施行可能です。

腹腔鏡下スリーブ+バイパス術は当センター長の笠間医師が世界に先駆けて開発した手術であり、当院では300例以上の経験があるため、もちろん当院は行うことができます。

スリーブ+バイパス術は笠間センター長が開発した腹腔鏡下スリーブ+十二指腸空腸バイパス術(Roux-Y再建術)図1にはじまり、アジアでさまざまな術式が開発されました。

とくに、単一吻合十二指腸空腸バイパス図2はRoux Y 再建術よりも簡便なため多くの施設で行われており、当院でも採用しています。

当院では新しい術式も倫理委員会を通過して、行えるようになりました。

それぞれの術式にメリット・デメリットがあります。術式の詳細は担当の外科医と相談をしてください。

スリーブ・バイパス術.png

図1

図2

手術の非適応

手術適応を満たしていても手術ができない場合があります。

1)肥満が内分泌疾患や飲んでいる薬物によって起こっている場合

内分泌疾患の治療や飲んでいる薬の変更を行えば肥満が解消される可能性が高い、すなわち手術というリスクを負わなくても治療できる可能性が高いと考えられます。

2)つよい精神疾患があると判断した場合

術後の決まりごと、注意が守れないと減量がうまくいかないばかりか、合併症を生じてしまう可能性があります。精神科への入院歴が一年以内にある方は手術の対象としていません。また精神疾患とまではいえなくても、治療に対して前向きでなかったり、他力本願的で依存心が強すぎたり、入院治療という団体生活(入院中の部屋は個室です)が出来ないような方は手術をお断りいたします。外部医療機関の心療内科医およびスタッフミーティングで術後に精神的な問題が生じると判断された場合は手術をお受けできません。

3)全身麻酔・手術が無理なほどの状態が悪い場合

手術は全身麻酔で行います。全身麻酔がかけられないほど状態が悪い場合は、一時的に内科的治療により減量を行い、状態がよくなったところで手術をすることがあります。高度の肝硬変、腎障害、心機能障害の方は手術の危険が著しく増えるため手術はできません。

4)薬物依存・アルコール依存の方

薬物・アルコールの依存が現在もある方は手術ができません。また依存症から回復して1年以上たてば手術は可能となります。

5)ご家族の理解が得られていない場合

ご家族のご理解は必須です。ご家族の賛成・希望がない場合は手術をいたしません。ご家族に対しては検査入院時または外来時手術に対して医師およびスタッフより十分に説明をいたします。しかしご家族を説得されるのは手術をご希望されている患者さまご自身の役割です。

6)その他

様々な状況が考えられますが、スタッフミーティングで手術をしないほうがいいであろうと考えられた場合は手術をお断りすることもあります。

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