腹腔鏡下スリーブバイパス術の治療効果|症例紹介2
- 四谷メディカルキューブ
- 3月19日
- 読了時間: 3分

東京都千代田区の四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センターです。当院では、減量手術に関する治療やご相談を受け付けています。
今回は、減量手術の効果を多くの方に知っていただくために、当センターで治療を受けられた患者さんの治療経過をご紹介します(記事の掲載にあたっては、患者さんのご了承をいただいています)。
初診時の状況
この患者さんは60代の男性で、初診時(53歳)の体重は92.5kg、BMI(ボディマスインデックス:体重と身長から算出する体格指数)は30.6でした。
10年前に2型糖尿病と診断され、ほどなくしてインスリン注射を開始。その後、使用量は徐々に増え、多いときには1日600単位以上を打つこともあったそうです。また、糖尿病の合併症として心筋梗塞を発症し、冠動脈にステントを留置されています。
かかりつけ医から「減量手術は肥満症だけでなく、糖尿病に対しても非常に効果が高い」と聞き、当センターを受診されました。
検査と診断
検査の結果、以下のような肥満・糖尿病関連の健康障害が判明しました。
・肥満症
・2型糖尿病(ヘモグロビンA1c 8.7%とコントロール不良)
・心筋梗塞(既往)
・脂質異常症
・高血圧症
・睡眠時無呼吸症候群
・胃食道逆流症
・関節痛
・脂肪肝
・腎機能低下
血糖値の改善を目的に、4種類の血糖降下薬とインスリンを使用しても十分な効果が得られていない状態でした。
治療内容
患者さんには十分なインフォームドコンセント(治療内容の説明と同意)を行ったうえで、肥満症に対して腹腔鏡下スリーブバイパス術を実施しました(当時は腹腔鏡下スリーブバイパス術は保険収載されていなかったため、自費診療として実施)。
この手術は、胃を小さくすることで食事量を減らし、腸の構造を変更することで肥満ならびに糖代謝を改善する方法です。
術後10年目の経過
先日、術後10年目の定期健診に来院されました。以下のような改善が見られています。
体重:76.5kg(BMI25.3)と健康体重を維持
ヘモグロビンA1c:6.9%(血糖値が安全域内でコントロール)
使用中の治療薬:血糖降下薬と週1回のGLP-1作動薬(注射製剤)
患者さんは、「重症糖尿病の方に、外科治療という選択肢があることを広く知ってほしい」という思いから、本記事の掲載にご協力くださいました。
おわりに
減量手術は、肥満症の患者さんにとって糖尿病をはじめとする肥満に関連する健康障害を大幅に改善できる有力な選択肢の一つです。今回のケースが、治療を検討されている方の参考になれば幸いです。
■治療内容:腹腔鏡下スリーブバイパス術
■治療期間と回数:5日(入院治療:4泊5日)、1回
■費用
◆自費診療の場合:2,410,000円(税込)
※自費診療には以下の費用が含まれます。
・入院・手術費用(入院料、手術料、麻酔費用、手術に使用する物品費用、入院中指導料、食事代、薬品代など)。
・入院期間中に発生した合併症(当院で対応可能なもの)の治療費(他院での治療に関しては含まれません)。
・手術後6ヶ月までの診療費(手術に関する外来再診料、検査費用、指導料)。
・手術後2年間分のサプリメント代。
◆保険診療の場合:約330,000円(高額医療制度適応あり、適応基準あり(以下))
※BMI35以上かつ糖尿病を併存している場合、保険適応があります。
※BMI35未満でコントロール不良(ヘモグロビンA1c 7.5%以上)の糖尿病を併存している場合、臨床試験に参加して頂ける可能性があります(詳しくは来院時に担当医とご相談下さい)。
■治療等の主なリスク、副作用:縫合不全、腹膜炎、腹腔内出血、腸閉塞、吻合部狭窄、胃管狭窄、術後再出血など
この記事を書いた人
■四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センター
四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センターでは、高度肥満症の方を対象とした減量手術を行っています。減量手術において国内屈指の執刀経験を有しており、論文、学会発表、講演、メディア出演など、多岐にわたる活動を展開しています。
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