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>HOME >減量手術の安全性について 減量手術の安全性について「減量手術に伴うリスク」の稿では、術後に起こり得る合併症には何があるのか、そして、手術を受けることは“リスク“を伴うが、実は、手術を受けないこと(=肥満状態のままでいること)の方が、はるかにリスクが高いこと、について書きました。・・・とは言っても、やはり、誰にとっても、”手術を受ける“ことは怖いもの。本稿では、減量手術の安全性、そして、リスクを下げるためにはどのようなことに留意するべきか、減量手術の先進国である米国を例に考えてみたいと思います。 In 2003, A Year of Crisis(2003年、危機の年)世界的な肥満人口の増加に加えて、1990年代に入って、手術が腹腔鏡(ふくくうきょう)で行われる様になると、米国を中心に手術件数が急増し、2008年には北米において、実に22万件の手術が行われるまでに拡大するのですが、2003年以降、手術件数が一時的に落ち込んだ時期があります(図1)。
米国の減量外科の歴史において、2003年は”Year of Crisis(危機の年)”と呼ばれます。次の流行は減量手術だ、とばかりに米国中で無節操に手術が行われた結果、減量手術の意義そのものが疑問視されかねない事実が次々に明らかになりました。具体的には、想像以上に合併症発生率が高かったこと、医療ミスによる訴訟件数の増加、効果や安全性についてのデータベースが未整備で、治療実態が把握出来ないこと、など。 経済的視点から見た減量手術のメリットとリスク COEについて触れる前に、減量手術というものを経済的な視点から見てみましょう(「減量手術の費用対効果」もご参照下さい)。米国の医療は、良くも悪くも経済的根拠に基づいて制度設計されている部分があります。このCOEという制度も治療費用を負担する側のニーズに後押しされて作られたものです。
また、The economic and health benefits of bariatric surgery(減量手術が経済と健康状態に与えるメリット)2)という論文には以下のことが述べられています。 こうしたことから、減量手術に必要な費用を、患者さん自身の人生や健康状態に対する“投資”と考えた場合、それを回収する(=損益分岐点(ROI: return on investment)に至る)までに必要な期間は、開腹手術で約4年、腹腔鏡手術で約2年程度と予想される、と述べられています(注:本論文では、治療費用を主に負担するthird-party payer(米国の民間保険会社)が、減量手術のために支払う費用を回収するまでに必要な期間、として試算されています。日本と米国とでは保険制度が大きく異なっていますので、便宜的に上記の様に表現しました)。このように、減量手術は経済的側面からも効果が高いと考えられるのですが、重要な要素として、外科医の経験と技術的進歩が指摘されています。
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