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日本減量外科治療センター 四谷メディカルキューブ
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四谷メディカルキューブで行っている手術・処置比較


四谷メディカルキューブで行っている減量手術・処置


  現在四谷メディカルキューブで行っている減量手術は以下となります。
T. 腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術 (Laparoscopic Rouxen Y Gastric Bypass: LRYGB)
U. 腹腔鏡下バンディング術(ラップバンド®)
V. 腹腔鏡下袖状胃切除術 (Lap Sleeve Gastrectomy)
W. 腹腔鏡下十二指腸転換を伴う胆膵バイパス術(Laparoscopic Biliopancreatic Diversion with Duodenal Switch: Lap BPD/DS)
X. 超重症肥満の方に対する二期的手術

また処置として以下を行っています。
Y. 胃内バルーン挿入術(BIB)

今後はバイパス、バンドを2つの柱として手術を行っていく予定です。
胃バイパス術とラップ・バンド術の詳しい比較は次項をご参照ください。


T. 腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術  (Laparoscopic Roux en Y Gastric Bypass: LRYGB)


腹腔画鏡下ルーワイ胃バイパス術

  食事摂取量を制限する手術と消化吸収を少なくさせる手術を組み合わせることによって、より効果的に体重減少をはかり、栄養障害などのリスクを少なくしようと考えられています。

  胃の小袋をつくることにより少量の摂取で満腹感をえて食事摂取量を制限し、吸収を悪くすることによりエネルギーの取り込みをさらに少なくします。最近のアメリカ肥満外科学会(ASBS)などではこのバイパス手術がゴールドスタンダードとなってきており、現在アメリカで最も多く行われている減量手術です。

  当院ではこれを完全に腹腔鏡下に行います。(腹腔鏡下手術のメリット、デメリットについては後述) 胃を20-30ccの小袋に分けます。その小袋に小腸を吻合します。食べ物が流れる小腸の途中に、胆汁と膵液が流れるようにもう一方の小腸の端を吻合します。当院では術前の肥満度に応じてその吻合する小腸の長さを変えて、栄養吸収の程度を調節しています。

<利益advantage>

1.  ルーワイバイパス術は、食事摂取量を制限するだけの手術よりも減量効果が高いといわれています。

2.  1年後に平均で超過体重の77%を減量できます。

3.   長期間のフォロー(10-14年)の報告でも超過体重の60%減を維持できていました。

4.  肥満に関連する合併症(腰痛、関節痛、糖尿病、高血圧、睡眠時無呼吸症候群など)の96%が改善されました。

5.  消化吸収を減少するだけの手術よりは、栄養に関しての障害が少ないといわれています。

6.  現在日本で使っている手術機材で施行できるため、面倒な手続きを要しません。

7. 現在行われている減量手術の中で、最も多く行われており、最も古くから行われている手術です。米国で行われている減量手術の約8割はこの方法です。

<リスク>

1.    消化吸収を悪くする手術であるので、鉄やカルシュウム、ビタミンの欠乏がおきます。ビタミンや鉄剤、ミネラルなどの内服が必要であとなり、これらを怠ると、貧血や骨への障害が生じます。

2.   「ダンピング症候群」を起こす可能性があります。

3.   胃の小袋が大きくなって引き伸ばされてしまい、充分な効果が得られないことがあります。

4. 残っている下方の胃の検査が出来なくなるため、もしそこに何か病変が生じても通常の胃内視鏡、バリウム検査では発見できません。

5.    胆道や膵臓の内視鏡的検査ができなくなります。


【腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術 イメージ動画】
プレイボタン(ボタン)を押すと動画が始まります。



U.腹腔鏡下胃緊縛法 (Laparoscopic Gastric Banding : ラップバンド®)


ラップバンド

  Gastricとは胃のことでBandingとは文字どうりバンドを巻く事です。この手術は食事摂取量を制限する手術の代表的なものです。胃の上のほうにバンドをまいて胃を締め付ける方法です。現在ではそのバンドの締め付け方を調整できる器具があり、それが最も多く使われています。正式にはAdjustable Bandingといって状況に応じてAdjust(調整)できる器具を腹壁内に埋めこんで、状況に応じて膨らましたりしぼめたりできます。このバンドによって胃を二つの部分、上方の小さな部分と下方の大きな部分に分けます。上方の小さな胃の部分が満たされると満腹感をおぼえます。食物の消化は通常どおりの経路で行われます。

  このバンドが厚生労働省で認可されていないため、手術を行うにあたって手続きに時間がかかります。また現在は医師免許を用いた個人輸入の形式をとるため、手続き、輸入経費がかかります。日本では通常売られていない機器具=バンド本体を用いますので、流通の面でまだ問題がありそうですが、諸方面のご努力により改善していただけそうな印象があります。

<利益advantage>

1.     食事量が制限される事により、体内に入ってくるエネルギーを減少させます。

2.     食物は通常の消化の手順を踏みますので、通常どおり消化吸収されます。

3.     多施設の3000症例以上の研究結果では、術後2年以上の経過を追い、超過体重の28%から87%の減量を認めました。平均的には約45%程度といわれています。

4.     バンドの締め具合を術後に調整できます。

5.     手術によりバンドを取り除けば手術前と同じような状態に戻せます。

6.     術後にも胃や胆道の内視鏡検査ができます。

<リスク>

1.   バンドの圧迫により胃に穴があいたり胃が裂けたりすることがあり、そのときは緊急手術が必要となります。

2.    アクセスポートに漏れが生じると再手術が必要となります。

3.    十分に食べたという満足感が得られない患者さんもいます。

4.   嘔気や嘔吐が見られる事があります。

5.   食事が通る部分の狭窄(狭くなる事)が生じる事があります。

6.   胃の上の部分の小袋が拡張してしまい十分な効果が得られないことがあります。

7.   バンドがすべって動いてしまう事があります。その場合には再手術が必要になる事があります。

8. 胃バイパス術ほどの減量効果はありません。

9. バイパス術よりは歴史が浅いので、長期的な効果は明らかではないといわれています。


【腹腔鏡下胃緊縛法 イメージ動画】
プレイボタン(ボタン)を押すと動画が始まります。
 

〜 減量手術による肥満合併症の改善効果 〜

  胃バイパス術 バンディング術 減量手術全体
超過体重減少率 1) 61.60% 47.50% 61.20%
平均体重減少kg 1) 43.5kg 28.6kg 39.7kg
術死率 1) 0.50% 0.10%  
術後合併症率 2) 7.90% 7.20%  
再手術率 2) 1.10% 5.30%  
満足しない減量の率 2) 1.00% 13.00%  
糖尿病治癒率/改善率 1) 83.7% / 93.2% 47.9% / 80.8% 76.8% / 86.0%
高血圧治癒率/改善率 1) 67.5% / 87.2% 43.2% / 70.8% 61.7% / 78.5%
高脂血症改善率 1) 96.90% 58.90% 79.30%
睡眠時無呼吸改善率 1) 94.80% 68% 83.60%
1) Bariatric surgery: a systematic review and meta-analysis. Buchwald H, Avidor Y, Braunwald E et al: JAMA. 2004 14:1724-37
2) Brazil Sao Paulo Gastro Obeso Centerでの同一スタッフによる腹腔鏡下胃バイパス術:2012人、腹腔鏡下バンディング術1174人の検討(2005年IFSO発表

V. 腹腔鏡下袖状胃切除術 (Lap Sleeve Gastrectomy)


腹腔鏡下袖状胃切除術

  胃の大半を切り取り、胃をバナナ1本くらいの大きさにして食事摂取量を制限する手術です。比較的新しい手術のため、長期成績がでていませんが、1-2年の短期での報告では良好な効果が得られています。ラップバンドと同様に食事摂取量の制限だけの手術ですが、異物を用いないため、異物による合併症は軽減できます。しかし、胃を切り取ってしまうため、手術の後に元に戻すということは出来ません。

腹腔鏡下袖状胃切除術のメリット
1. 食事量が制限される手術ですので、体内に入ってくるエネルギーを減少できます。
2. ルーワイバイパス術とは異なり、食べ物は通常どおりに消化吸収されます。
3. 術後にも胃や胆道の内視鏡検査ができます。
4. 短期成績ではラップバンドよりも良好な報告があります。
5. もし体重減少がうまく行かなくなっても、二期的に腹腔鏡下胃バイパス術を行うことは比較的容易です。

腹腔鏡下袖状胃切除術のリスク
1. 胃を切り取ってしまうため、元に戻すことは出来ません。
2. 比較的新しい手術のため、長期成績は出ていません。そのためアメリカ肥満外科学会が2004年に定めた合議書にはまだ載っていない手術です。
3.食事が通る部分の狭窄(狭くなる)が生じることや、吐き気や嘔吐が見られることがあります。
4.小さくした胃が拡張してしまい、十分な効果が得られないことがあります。
6. 胃バイパス術ほどの減量効果、合併症改善効果は期待できないと考えられます
7. 手術に関連する全般の危険性(感染、出血、血栓、縫合不全、肺炎、心臓発作、死亡など)があります。


W. 腹腔鏡下十二指腸転換を伴う胆膵バイパス術
(Laparoscopic Biliopancreatic Diversion with Duodenal Switch: Lap BPD/DS)


  この手術はおもに栄養吸収を制限することにより減量をおこないます。その原理は以下のようなものと考えられています。
  1. 胆汁と膵液が十二指腸に排出されるが、この手術では胆汁と膵液は空腸で食物と混ざるようになる。しかし空腸では胆汁、膵液により分解された食物の吸収が低下する。また、胆汁などが混ざらない部位での食物の通過は分解酵素がないため少量しか吸収されない。とくに胆汁酸とリパーゼは脂肪の吸収に必要であるので、脂肪カロリーの吸収抑制が他の栄養素に比して多く起こる。しかし、残念なことに吸収されない脂肪はガスや下痢、くさい便を引き起こす。 
  2. 食物がとおる小腸が短くなるため、食物が直接触れる小腸粘膜の面積が少なくなる。そのため栄養の吸収が少なくなる。 

胃バイパス術は胃をバイパスするだけで切除をしませんがBPDでは胃の70%を切除をします。この手術では、残してある胃の大きさは胃バイパス術での胃嚢(パウチ)の大きさよりも大きくなります。このためバイパスやバンディングよりも多く食べられます。食物が胃に入ったあと、新たに作られた吻合部を通過して、小腸(栄養脚)に流れます。この構造は基本的には胃バイパス術と同じですが、胃から大腸までの小腸の長さがかなり短くなっていて、栄養吸収を障害するようになっています。膵液と胆汁は胆膵脚を流れ、大腸から100cmの部位の栄養脚に流れるようにします。胆汁、膵液と食物が混ざり流れていく小腸の部分は共通脚と呼ばれます。この栄養脚、共通脚の長さは外科医によってさまざまな違いがあります。
BPD術後の超過多重減少率は約80%でありバイパスよりも良好といわれています。そしてこの減量は少なくとも18年間は続くであろうことは証明されています。しかしながら、他の手術のデータ同様、このデータもフォローアップの長さや質、手術が行われた国、外科医、患者さんの術前の体重によって変わってきます。他の減量手術同様、BPDも生涯にわたるフォローアップが極めて必要となります。

DUODENAL SWITCH

DS(Duodenal Switch:十二指腸変更、交換=適当な日本語訳が見つかりません。ここではDSと表記します。)は、BPDの変法であり、術後の潰瘍発生の低下、食事摂取制限の追加、ダンピング症候群の発生の減少、蛋白カロリーの吸収制限による栄養障害などをへらすために考え出されました。(しかし、ダンピングに関しては一概に“悪い” とは言えない合併症であり、ダンピングによって患者さんが高糖質や高脂肪食をとることを抑えているとも考えられています。)BPD/DSは1986年にHess医師により報告されました。
BPD/DSは栄養吸収を抑えることと同時に、食事摂取を抑えることで機能する手術です。残った胃はバナナのような形となり、十二指腸の上部で切断されて、そこで小腸と吻合されます。BPDと比べて、DSはより小さな胃となります。BPDとBPD/DSの大きな違いは、残った胃の形です。栄養吸収抑制をつかさどる部分は大きな違いはなく、BPDでは胃の下半分を横に切り取り、BPD/DSでは胃の大弯側を縦に切り取ります。(袖状胃切除術と同じ形になる)
十二指腸は小腸よりも胃酸への耐性が高いため、潰瘍になりづらいといわれています。BPDは胃と小腸をつなぐが、DSは十二指腸と小腸を吻合します。DSは胃から2-4cmの部分の十二指腸で切断して、小腸と胃側の十二指腸の断端を吻合します。理論的にはDSはBPDと比べ鉄とカルシウムの吸収が良くなると考えられている。十二指腸を切断するデメリットは、同部分には多くの大事な器官が集中しており、これらの器官を損傷すると命にかかわるような合併症が生じる可能性があるということです。これらの手術は、長期間の最も多くの体重減少が報告されています。しかし胃バイパス術や食事摂取を制限するだけの手術に比べて、栄養障害が生じる率が高くなります。BPDとBPD/DSは減量外科手術の中でも最も複雑な手術であると考えられています。ある患者さんたちや外科医たちはDSがダンピング症候群がないため、胃バイパス術やBPDよりも優れた手術であると考えています。しかしBPDやDSは、脂肪に富んだ食事の後は、とてもくさいおならや下痢になるという、これらの手術に特徴的な副作用があります。


Advantages of BPD and DS:<BPDとBPD/DSの利点>

胃バイパス術やバンドに比べて、食事摂取量が多い。
食べられない食質が少ない。
長期間のより多い体重減少が期待できる。
バンドと比べて早い体重減少がおこる。
通常の検査(胃内視鏡やバリウム検査)で胃の検査ができる。

Complications of BPD and DS:<BPDとBPD/DSの合併症>

(一般的に手術に伴う合併症に加えて以下のものがあります)

下痢とくさいのガス、平均一日に3-4回の軟便がある。
脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,K)の吸収障害。
ビタミンA欠乏は夜盲、ビタミンD欠乏は骨粗しょう症を起こす。
鉄欠乏が胃バイパス術と同程度の頻度でおこる。
蛋白カロリーの吸収障害による栄養障害:共通脚の長さを変更する再手術が必要になることもある。
潰瘍(DSでは少なくなる)。
ダンピング症候群(DSでは少なくなる)。
胃を切って取り出してしまうため、元に戻すことは不可能である。

BPDもBPD/DSも腹腔鏡下に行うことが出来る。しかし、これらの手術は腹腔鏡下胃バイパス術よりも高い技術を要するといわれており、もっとも経験のある外科医によって行われるべきである。長期間のフォローアップと毎日のビタミンサプリメントの摂取がこれらの手術の成功には不可欠である。バイパス同様に生涯にわたるフォローアップが、栄養やミネラルの欠乏を防ぐために必要となる。

X. 超々重症肥満に対する二期的手術


  BMI60をこえる超々重症肥満の方は一度で手術をすると死亡率が高くなるといわれています。そのような方には安全のため一回目の手術で胃を小さくして減量をはかり、減量がとまったところで胃バイパス術をするという二期的手術を考えています。具体的には腹腔鏡下袖状胃切除術(Lap Sleeve gastrectomy)をまず行って、BMI50程度まで減量した時点または減量が止まった時点で、二度目の手術として腹腔鏡下胃バイパス術または腹腔鏡下Biliopancreatic diversion with Duodenal switchを予定いたします。

Y. 胃内バルーン挿入法


胃内バルーン挿入術

  胃内バルーン挿入術(BIB)は内科的治療と外科的治療の中間に位置するものと考えています。 BIBとは胃の中にシリコンでできた風船を入れ、胃袋の容量を減らすことにより、食べられる量を少なくして体重減少をはかる 方法です。 手術ではなく胃内視鏡で行う処置ですので、手術を受けることに抵抗がある方にもお勧めできます。

  しかし、最長6ヶ月までの挿入となりますので長期的な効果をすべての方に期待できるわけではありません。また胃の中に異物をいれて胃内容量を減少させるため気持ち悪い感じは数日間続きます。

  BIBは比較的軽度の肥満の方、手術までは踏み切れない方、または超重症肥満で術前に減量をしたほうが安全である方を対象に行っていく予定です。


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