>HOME >減量手術の原理 減量手術の原理減量手術はどのようにして超過した体重を減らすのか?外科医は胃や腸を切除した患者さんが手術のあとに体重が減っていってしまうという事実から、減量のための手術の可能性に気がつきました。またほとんどの患者さんは手術のあとに体重が、手術前も体重にまで戻らないということにも気がつきました。いろいろな研究をおこない、病的肥満の患者さんにも手術で安全に減量する事ができるのではないかと考えました。最近の10年でどの手術が安全で効果があるかだいたい解ってきました。アメリカ肥満外科学会(American Society for Bariatric Surgery:ASBS)は減量手術による2つの基本的なアプローチを定めています。 1:食事摂取量を制限する方法
理論はもっとも単純です。もしあなたがおなかがいっぱいだと感じていたらそれ以上食べようとはしないでしょう? ですからいつもおなかがいっぱいと感じさせるようにして食べ物をたべないようにさせればいいのです。この食事摂取量を減少させる減量手術は一度に食べる食事の量を減らします。しかしながら栄養の吸収は正常に維持します。この手術は胃の入り口のほうに小さな胃の小袋を作ります。この袋の大きさはだいたい15mlから30mlです。食事をしてこの袋がいっぱいになってしまうと満腹感を覚えます。そのため低いカロリーの摂取により体重が減少するというわけです。 術後に患者さんは外科医と栄養士のきめた厳密な食事のガイドラインを厳守しなければなりません。この手術によって最高の結果を得た患者さんを見てみると、みなさん少量をゆっくり食べ、水分とくに炭酸飲料を飲み過ぎないことに注意しています。たくさん食べるとはいてしまったり、気持ち悪くなったりします。もし患者さんが外科医および栄養士の指示を守れなかったときは胃の小袋がのびてしまい手術の効果がうまく得られません。 この手術はずっとだらだらとお菓子を食べ続けたり高いカロリーの飲み物を飲み続けたりするとよい結果が得られません。この手術をおこなっても思ったとおりの減量結果が得られない事のほとんどは、患者さんが食事や行動の指示が守れなかったときに起こります。繰り返しますが手術は簡単にやせるためのものではなく、やせなければ死んでしまうか行動に制限が出てくるための方が最後の手段として受けるものです。手術をうければ楽にやせられるとは考えないでください。 2:栄養吸収を少なくする方法
食事摂取量の制限と栄養吸収を少なくする方法を組み合わせたもの
手術の前に必要な手続き減量手術を受けるかどうかの選択、減量手術の術式の選択はとても重要な事です。そのためあなたはそれぞれの術式がどのようなものか? どのような利益とリスクがあるかをしっかりと理解しなければなりません。残念ながら日本では肥満手術に関して理解している医師は、内科医、外科医ともに少ないのが現状です。 日本では肥満手術のサイトはほとんどありませんがアメリカにはたくさんあります。そこを参考にしてみるのもよいかと思われます。リンクのページを参照してください。 減量手術は劇的にあなたの人生を変えます。しかし決して簡単な手術ではありません。手術に伴う合併症のリスクはあります。十分な情報を得て理解してから手術に望んでください。あなたの人生を決定する権利はあなた自身にありますが、人生を決定する義務もあなた自身にあります。手術前にしっかりと話し合い十分な「インフォームド・コンセント」を得てください。あなたがよく生きるために何を選択するかをしっかりと理解して、その努力をすれば私たち医師も最大限の努力を約束します。 手術適応アメリカ肥満外科学会、アメリカ国立衛生研究所では。手術の対象となる患者さんは 1)ボディ・マス・インデックス(BMI)が40kg/m2以上 2)BMIが35kg/m2でかつ肥満に起因する並存疾患がある かつ今まで内科的治療を行ってきたがうまくいかなかったものとしています。しかし米国以外ではこれが厳密に守られているというわけではありません。 2005年2月に行われたアジア太平洋肥満外科会議ではアジア人の手術適応を1)BMI32以上で糖尿病またはそれ以外の2つの合併症をもつもの、2)BMI37以上 と規定しました。「アジア人は欧米人と比較して低いBMIで合併症、とくに糖尿病を合併しやすくなる」「同じ体脂肪率で比較すると、アジア人のほうがBMIが約3低い」というデータからアジア人の手術適応が導き出されました。 笠間医師(四谷メディカルキューブ 減量外科部長)はアジア太平洋肥満外科会議の創立メンバーであり、この会議に参加して適応を討論してまいりました。今後は日本人にはこの適応で手術を行っていく所存です。 私たちは「美容のため」でなく、「病気を治す」ために治療を行います。肥満による合併症があり、それにより患者様の生活の質や生命が脅かされているときに手術を考慮します。 手術の非適応上記の手術適応を満たしていても手術が出来ないことがあります。 1)肥満が内分泌疾患、のんでいる薬物によって起こっている場合 内分泌疾患の治療、飲んでいる薬の変更を行えば肥満が解消される可能性が高い、すなわち手術というリスクを負わなくても治療できる可能性が高いと考えられます。 2)つよい精神疾患があると判断した場合 術後の決まりごと、注意が守れないと減量がうまくいかないばかりか、合併症を生じてしまう可能性があります。精神科への入院歴が一年以内にある方は手術の対象からはずれます。また精神疾患とまではいえなくても、治療に対して前向きでなかったり、他力本願的で依存心が強すぎたり、入院治療という団体生活(部屋は個室ですが。)が出来ないような方は手術をお断りいたします。外部医療機関の心療内科医およびスタッフミーティングで術後に精神的な問題が生じると判断された場合は手術をお受けできません。 3)全身麻酔・手術が無理なほどの状態が悪い場合 手術は全身麻酔で行います(手術麻酔についてはこちら)。全身麻酔がかけられないほど状態が悪い場合は、一時的に内科的治療により減量を行い、状態がよくなったところで手術をすることがあります。肝硬変の方は手術の危険が著しく増えるため、手術は出来ません。 4)薬物依存・アルコール依存の方 薬物・アルコールの依存が現在もある方は手術が出来ません。また依存症から回復して1年以上たてば手術は可能となります。 5)家族のご理解が得られていない場合 御家族のご理解は必須です。御家族の賛成・希望がない場合は手術をいたしません。御家族に対しては検査入院時または外来時手術に対して医師およびスタッフより十分に説明をいたします。しかし御家族を説得をされるのは手術をご希望されている患者さまご自身の役割です。 6)その他 様々な状況が考えられますが、スタッフミーティングで手術をしないほうがいいであろうと考えられた場合は手術をお断りすることもあります。 | |||||||||
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